A-CHAN
著作権はとにかく複雑で難しいことがわかったよ!
色々な権利があることがわかった!
なおさら、楽譜を勝手に整理(コピー)してよいか不安になってきたよ!
色々な権利があって難しいよね!
今回は楽譜のコピーについて整理していくね!
Ra-kun
このページでは、著作権と楽譜のコピーについて詳しく記載しています。
【初心者・初級『part19』】著作権と楽譜のコピーについて
著作権について、前回から3回に渡って、私が調べて整理したことを発信しています。
今回は第2回目の「著作権と楽譜のコピーについて」です。
前回の記事を読まれていない方は、まずそちらからご覧ください。
これまで、ラコスタでは楽譜を準備する方法として、下記の記事で主に4つの方法を紹介しておりました。
その方法と著作権との関係について記載していきたいと思います。
上記で紹介していた方法は、主に下記の4つです。
1.コード譜配信サイトを利用する
2.販売されている楽譜を購入する
3.コード譜配信サイトの情報をスクリーンショットし、ワード等で整理する
4.歌詞をワード等にコピーして、コード譜配信サイトの情報を参考にして整理する
先に私が整理した結論から記載しますと、上記の4つの方法については、下記の利用であれば問題ないと思われます。
適法に販売やアップロードされている楽譜を
「私的使用」を目的としてコピー(複製)や編曲する。
上記の結論の文章で使用している「コピー(複製)」、「編曲」、「私的使用」、「適法に販売やアップロードされている」について整理すれば、私が問題ないと考えている理由もわかるかと思いますので、ご参考になれば幸いです。
コピー(複製)、編曲について
「コピー(複製)」、「編曲」と上記の4つの楽譜を整理する方法との関連性について、それぞれ整理します。
コピー(複製)について
楽譜がデータであれば、そのデータをコピーをする利用が考えられます。
また、紙媒体であれば、プリンター等により楽譜をコピーすることが考えられます。
その他、楽譜をスクリーンショットすることや、ワード等に入力することも、コピー(複製)にあたるようです。
上記の4つの楽譜を整理する方法では、下記の場合でコピー(複製)することが想定されます。
「1.コード譜配信サイトを利用する」
⇒この方法では、サイトを見て演奏するだけなので、恐らくコピー(複製)することは無いと思われます。
「2.販売されている楽譜を購入する場合」
⇒練習中に気付いたことをメモ等をする際に、元データ(もしくは紙媒体)を残しておきたい場合は、コピー(複製)することが考えられます。
「3.コード譜配信サイトの情報をスクリーンショットし、ワード等で整理する」
「4.歌詞をワード等にコピーして、コード譜配信サイトの情報を参考にして整理する」
⇒どちらも整理している時点で、コピー(複製)する必要があります。
つまり、2番、3番、4番では、コピー(複製)を行う可能性があると思われます。
編曲について
そもそも「編曲」とは、何かを整理します。
「編曲」とは、楽曲を編集(アレンジ)することです。楽曲を少しでも改変(変更)すると、編曲として扱われる可能性があると考えています。
どの程度、改変を行うと編曲となるのか、その基準や程度についての具体的な規定はありません。
たとえば、これまでの記事でお勧めしていた下記の演奏(練習)について、
・難しいコードは、響きの似ている簡単なコードで演奏する。
・リズム(ストローク)は、4ビートで演奏する。
・テンポの早い曲であっても、テンポをゆっくりにして演奏する。
・自分の声の高さに合わせて、キーを変更して演奏する。
私自身としては、これらは全て改変なので、編曲として扱われる可能性があると考えています。
そもそも、多くの楽曲は、様々な楽器で演奏をされています。
それをギター1本で伴奏すること自体が、伴奏の楽器構成が変更されているので、編曲として扱われる可能性があると考えています。
そのように考えている理由は、楽曲の保護される対象は、「メロディ(歌)」、「歌詞」にとどまらず、楽曲すべてだと考えているからです。
(タイトルのみ等の単語については除きます。同じタイトルの楽曲も世の中にはたくさん存在するからです。)
音楽は様々な要素によって構成されて成り立つものです。
これまで、ラコスタでは、音楽には3大要素と呼ばれているものがあると説明したことがありました。
「メロディ(歌)」、「ハーモニー(伴奏)」、「リズム」は音楽の3大要素と言われています。
他にも色々な要素があり、「キー(調律)」、「テンポ」も楽曲の要素の一つです。
要素を改変(変更)することは、編曲として扱われる可能性があると思われます。
つまり、
「4.歌詞をワード等にコピーして、コード譜配信サイトの情報を参考にして整理する」
などで、自分なりに演奏しやすいように、「コード」、「リズム(ストローク)」、「テンポ」または「キー(調律)」を改変(変更)して、整理することは、編曲として扱われる可能性があると考えています。
私的使用について
原則、著作物(今回のテーマでは楽譜)については、勝手に複製(コピー)や編曲をすることは禁止されています。
複製(コピー)や編曲を行い楽曲を使用する際は、著作権者から許可を得る必要があります。
これは、前回の記事で記載の下記の権利が働くからです。
複製(コピー)について:「財産」にかかわる権利の複製権
編曲について:「人格」にかかわる権利の同一性保持権、「財産」にかかわる権利の翻訳権、翻案権等
それならば、楽譜の整理ついて、少なくとも2番、3番、4番は、複製(コピー)、編曲のいずれかを行うので、著作権者から許可を得る必要があるのではないか?と思われるかもしれません。
しかし、上記については原則として記載されているとおり、例外があります。
その例外が「私的使用」の場合です。
「私的使用」とは、前回の概要では触れていませんでしたが、
著作権法第30条に記載のある文言です。
ここでは、文科庁のリンク先をご紹介いたします。このサイトには著作権のテキストがあり詳しく記載されています。
※文科庁は著作権法を所管されており、著作権法について正確な情報が発信されております。
(外部リンクです。)
上記サイトに記載のとおり、「家庭内など限られた範囲内で、仕事以外で使用することを目的として、使用する本人が複製する場合の例外です。※翻訳、編曲、変形または翻案も可」と記載があります。
したがって、家庭内で仕事以外の目的のために使用するのであれば、上記の4つの方法は著作権の侵害とならず、複製(コピー)、編曲が可能ということです。
ただし、下記の場合は、家庭内で仕事以外の目的であっても認められていません。
⇒に私の考えを記載していきます。
・公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器を用いて複製するとき
⇒コンビニ等に置いている、コピー機が該当するのではないか?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、当分の間、文献複写機等のもっぱら文書又は図画の複製のための機器を除くこととなっていると注意書きが記載されているので、コンビニ等で紙媒体のコピーをすることは問題とならないと考えています。
・技術的保護手段の回避により可能となった(又は、その結果に障害が生じないようになった)複製を、その事実を知りながら行うとき
⇒通常のスマホやパソコン等によるスクリーンショットはこれに当てはまらないと考えます。なぜなら、スクリーンショットはスマホやパソコン等に常備されている機能だからです。スクリーンショットをすることは、「技術的保護手段の回避」に当てはまらないと考えます。ただし、通常のスクリーンショットをして複製できないサイトであるならば、そのサイトを無理やり利用することは避けるべきだと思います。
・著作権等を侵害する自動公衆送信を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、その事実(=著作権等を侵害する自動公衆送信であること)を知りながら行うとき
⇒違法にアップロードされたものと知りながら、複写等をしてはいけないということです。一昔前に「漫画村」という漫画を無断にアップロードされているサイトが話題になりました。それが、まさに違法アップロードサイトです。そのような違法アップロードサイトと知ったうえで、そのサイトの情報を複写等をしてはいけません。つまり、適法に販売やアップロードされている楽譜を利用する必要があります。
・映画館等で有料上映中の映画や無料試写会で上映中の映画の影像・音声を録画・録音
⇒著作権法とは別の法律で定められています。NO MORE 映画泥棒のように映画館で録画・録音をしてはいけない根拠です。
したがって、私が紹介している4つの楽譜の整理方法では、私的使用のためであれば、楽譜を違法に販売やアップロードされているサイトに気をつければ、問題ないということがお分かりになったかと思います。
なお、私的使用については、人格に関する権利には適用されません。そのため、同一性保持権が働き、勝手に編曲してはいけないのではないか?と
先ほどご紹介した、文科省のリンク先等を読み込んでいただいた方は、お気付きになられるかもしれません。
それについては、下記のように考えています。
同一性保持権とは(著作権法第20条より)
「著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする。」
(著作権法第20条第2項より)
「前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する改変については、適用しない。」
(著作権法第20条第2項第4号より)
「前三号に掲げるもののほか、著作物の性質並びにその利用の目的及び態様に照らしやむを得ないと認められる改変」
同一性保持権とは上記の権利です。
この権利は、作詞・作曲された方の人格を守る権利です。
第三者に披露せず個人的に演奏や練習をするためだけの利用であれば、作詞・作曲された方の人格を汚すことにつながるとは、考えにくいと思います。
少なくともラコスタでお勧めしている、「簡単なコードにして演奏する」、「一定のリズムで演奏する」、「テンポを遅くして演奏する」、「自分の声に合わせてキーを変えて演奏する」ことは、個人的に演奏や練習を行うことが目的であり、作詞・作曲家の人格を汚すことが目的ではありません。
したがって、私的使用(家庭内で仕事以外の目的のために使用)のため、作詞・作曲された方の人格を汚すことを目的としていない改変であれば、「やむを得ないと認められる改変」としていただけるものと考えています。
ここまでをまとめますと、
私的使用(家庭内で仕事以外の目的のために使用すること)
適法に販売やアップロードされている楽譜を利用する
が大切ということがお分かりになられるかと思います。
次に、「適法に販売やアップロードされているかの判断について」について説明いたします。
適法に販売やアップロードされているかの判断について
冒頭の4つの方法で楽譜を整理する際に利用することが想定される、「楽譜を販売しているサイト」や「楽譜をアップロードされているサイト」をどのように適法と判断するかについて、説明いたします。
コード譜配信サイトを利用する
コード譜を配信されているサイトが適法かどうかを判断する方法について、記載いたします。
多くのコード譜配信サイトでは、「歌詞」、「コード(コード進行)」が掲載されているかと思います。
「歌詞」や「コード(コード進行)」をインターネットで、サイトに掲載する場合は、著作権の中でも「公衆送信権等」の権利を持たれている著作権者から許可を得る必要があります。
著作権者については、前回の記事の「楽曲が配信されるまでの流れについて」に記載のとおり、JASRACさん等の著作権管理団体となることがほとんどだと思います。
具体的には下記の手順で調べます。
1.JASRACさん等の著作権管理団体のホームページより、調べたい楽曲の「公衆送信権等」を著作権管理団体が管理しているかを調べる。(JASRACさんであれば、J-WIDと呼ばれるデータベースから簡単に調べられます。調べたい楽曲を検索し、配信に○がついていれば、JASRACさんが「公衆送信権等」を管理されています。)
2.コード譜配信サイトが、JASRACさん等の著作権管理団体からの許諾番号を掲載されているか確認する。(この許諾番号が掲載されているサイトは、著作権者から許可を得ていることとなるので、著作権侵害をしていません。)
以上、2点の方法を行えば判断できます。
ちなみに、コード(コード進行)を掲載されているので、
編曲として扱われる可能性はないのか?
可能性があるのであれば、編曲の許可を得ていることを確認しなくて良いのか?
と気にされる方は、ここまでの内容を、とても読み込んでいただけている方かと思います。
コード進行(伴奏)も楽曲の要素の一部なので、楽曲から変更されていれば編曲として扱われる可能性はあると考えます。
また、前回の記事で記載のとおり、JASRACさんは編曲に関する許可を音楽出版社から譲渡されていらっしゃらないので、許諾番号が掲載されているサイトであっても、編曲の許可を得ているサイトかは確認できません。
しかし、楽曲本来のコード進行とコード譜配信サイトに掲載されているコード進行が一緒かは、著作権者にしか分からないことだと思いますので、第三者(利用者)には、確認する方法はありません。
また、楽曲本来のコード進行と異なるとわかった場合であっても、編曲の許可を得ているかを第三者(利用者)が確認する方法はありません。(編曲の許諾のやりとりは、サイトと音楽出版社又は作詞・作曲家との間のやりとりのため)
「私的使用」として使用が認められていないのは、違法アップロードとわかっていながら利用する場合です。
したがって、利用者としては、上記の手順で、できる限りの確認はしていると思いますので、それが問題なければ違法アップロードでないと判断して良いと考えます。
販売されている楽譜を購入する
販売されている楽譜が適法かどうか判断する方法について記載いたします。
販売されている楽譜は大きく、下記の2とおりが考えられます。
1.音楽出版社による販売(書店で販売されている楽譜集も含む)
2.音楽出版社以外による販売
それぞれについて、解説いたします。
「1.音楽出版社による販売(書店で販売されている楽譜集も含む)」について
この著作権の記事で何度も使用している「音楽出版社」とは、一般社団法人日本音楽出版社協会の会員のことを指しています。
(外部リンクです。)<https://mpaj.or.jp/outline/member/list>
当然ながらに適法だと思われます。
なぜなら、音楽出版社さんは音楽業界関係者の一つだからです。前回の記事の「楽曲が配信されるまでの流れについて」のとおり、作詞・作曲者の方と著作権の契約を締結される立場にあたるので、著作権について、私の知識(このブログに記載している著作権の内容)よりも、精通されているためです。
以前ご紹介しておりました、「ぷりんと楽譜(外部リンクです。)<https://www.print-gakufu.com/>」(リンクを掲載しておりますが、広告ではありません。私がよく使用しているので例として提示させていただいているだけです。)は、音楽出版社の一つである「株式会社ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス(YMEH)さん」が運営されています。
あえて確認するのであれば、JASRACさんが「複製権の一つである出版権」を管理されているか確認します。
具体的には、下記のとおりです。
1.JASRACさん等の著作権管理団体のホームページより、調べたい楽曲の「出版権」を著作権管理団体が管理しているかを調べる。(JASRACさんであれば、J-WIDと呼ばれるデータベースから簡単に調べられます。調べたい楽曲を検索し、出版に○がついていれば、JASRACさんが「出版権」を管理されています。)
2.楽譜販売サイトが、JASRACさん等の著作権管理団体からの許諾番号を掲載されているか確認する。
ただし、JASRACさんへ出版権を譲渡されていない場合は、JASRACさんから許諾を得る必要はないので確認することができません。
したがって、一般社団法人日本音楽出版社協会の会員である音楽出版社さんが運営されているサイトや販売されている書籍であれば、問題ないかと思われます。
また、編曲の許諾を得られているかは、「コード譜配信サイトを利用する」と同様に第三者が確認する方法が無いので、不要と考えています。
(ただし、「ぷりんと楽譜」であれば、編曲の許諾を得られていることが間接的に分かります。次回の内容と重なるので、次回に詳しく記載いたします。)
「2.音楽出版社以外による販売」について
こちらも、「1.音楽出版社による販売(書店で販売されている楽譜集も含む)」と調べ方は同じです。
使用しようとしているサイトが、音楽出版社(般社団法人日本音楽出版社協会の会員)のサイトでないのであれば、調べたうえで楽譜を購入するべきだと思います。
コード譜配信サイトの情報をスクリーンショットし、ワード等で整理する
コード譜配信サイトの情報をスクリーンショットするので、「コード譜配信サイトを利用する」で記載した手順で調べると良いと思われます。
歌詞をワード等にコピーして、コード譜配信サイトの情報を参考にして整理する
歌詞をワード等にコピーして、コード譜配信サイトの情報を参考にして整理する際の、適法なサイトかの判断の仕方について記載いたします。
下記、2つのパートに分けて説明いたします。
・歌詞を掲載されているサイトについて
・コード譜配信サイトについて
「歌詞を掲載されているサイトについて」
歌詞をコピーするには、一般的に「コード譜配信サイト」や「歌詞掲載サイト」ではできません。
なぜなら、どちらも商用目的で発信されているからです。
歌詞を商用目的で配信する際は、ストリーミング方式といって、歌詞(文字データ)をコピーできないように画像データのようなもので掲載しなければいけないからです。
(画像データなので、スクリーンショットは可能です。)
文字データを無理やりコピーすることは、「技術的保護手段の回避」と指摘される可能性はあると考えます。(画像データのコピーを目的としているスクリーンショットとは異なります。)
したがって、ストリーミング方式で歌詞を掲載されていないサービスを利用する必要があります。
その方法が、「JASRACさんが利用許諾契約を締結しているUGCサービス(ブログサイト)に掲載されている歌詞をコピーする」です。
UGCサービスとは、このブログのような個人が作成しているコンテンツサービスです。
(ちなみに、私の使用しているブログサービスは「blogger」という、Googleのサービスの一つで、JASRACさんと利用許諾契約をされているサービスでないため、歌詞等を勝手に掲載できません。(個別に利用許諾契約の手続きを行う必要があります。))
JASRACさんと利用許諾契約しているUGCサービスは、Googleで検索するとすぐに見つけることができます。下記のリンク先となります。
(外部リンクです。)<https://www.jasrac.or.jp/news/20/ugc.html>
個人のブログサービスなんて怪しいと思われるかもしれませんが、ブログサービス側が、JASRACさんと著作権使用の契約をなされているので問題ありません。
ただし、この方法が利用できる楽曲については、JASRACさんの管理楽曲であり、JASRACさんが「公衆送信権等」の権利を管理されている楽曲に限ります。
「コード譜配信サイトを利用する」と同様の方法で、JASRACさんが「公衆送信権等」を管理されている楽曲かを調べ、その楽曲であれば、JASRACさんと利用許諾契約しているUGCサービスに掲載されている歌詞は、問題ないと判断できます。
「コード譜配信サイトについて」
「コード譜配信サイトを利用する」で記載した手順で調べると良いと思われます。
以上が、著作権と楽譜のコピーについての説明でした。
結局のところ、「私的使用」と「違法アップロードサイト」にさえ、気を付けていただければ、これまでラコスタでご紹介してきた、楽譜を準備(整理)する方法は問題ないかと思います。ご参考になれば幸いです。
今回はここまでです。ありがとうございました!
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